ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ(1)「チーム・サブスリー・ライジング・フロム・ドゲザ」(通常版)

忍殺リプレイまとめはこちらからどうぞ。

こちらの記事は、Twitter上に掲載したニンジャスレイヤーTRPGリプレイを、一部修正、再構成の上で掲載したものです。

当時のTwitter上でのリアクションを一部収録した「Live版」はこちらをご覧ください。

目次

1.蠢き始めるニンジャたち
2.セッション当日
2-1.集結し、キャラメイク
2-2.チュートリアル~ニンジャたちの邂逅~
閑話休題
2-3.筆頭、登場。初めてのダンゴウそして
2-4.初めてのオツカイ ~ヤクザの事務所~
2-5.Wasshoi判定
3.セッションを終えて

1.蠢き始めるニンジャたち

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時は2018年12月31日。オッサン達は、今年も年の暮れを古い友人と迎えていた。
「スッゾコラー」
「カチグミ!」
「ユウジョウ!」
「リアジュウ!」
「シスベシ!」
既婚者もいたが、気にしない。

忍殺公式のフォロワーが3桁だった頃からの古参ヘッズ、BHが言った。
「ところで、忍殺がTRPGになったの知ってるか?」
NM「知ってる。面白いの? よく分からんが、やったことある?」
BH「知らないんだが。noteだから、この場で買えるぞ」
そこはオタクの集まり。忍殺は全員が知っていた。

「?」「?」となる友人の中で、TRPGを普段から嗜むNMが反応した。

NM「卓、立てる?」
BH「やる!?」
「やる」「やろうぜ」「俺もいるぜ」「コーホー」
NM「よし、全員そこに直れ! 手帳出せ!」

かくして、あれよあれよと言う間に、2019/1/19の忍殺セッション初めが決まったのであった。グールが笑う!

2.セッション当日

2-1.集結し、キャラメイク

そして当日。6人のヘッズが集合した。
NM「ニンジャマスター(GM)は任せろ。ルール知らんけど」
BH「イキリ・サンシタやりたい」
LC「夜勤なんとかなった」
IF「トーキョーN◎VAはやったことある」
JR「TRPGってどうやるの?」
AN「え? うちでやんの?」

NM「せっかくだから、オーガニック=スシ喰いながら遊びたい」
AN「他に忍殺っぽい食い物って?」
BH「オハギ・ドリトス・コロナ……」
オスシ以外も、いろいろ買ってった!!
NM「カロリー気にすると、まずいけどな…」
LC「チートデイに決まってるだろ」
AN「スシはヘルシーだから、実質野菜」

NM「キャラシ配るよー。ダイス3回振って、カラテ・ニューロン・ワザマエ決めてね。1回振って-3して、ジツ決めてね。で、どのジツかダイス振って決めてね。基本パラメータ、完成」
『もう!?』
キャラメイクは、実際神速であった。
NM「サイバネ化する人ー」
『はーい』
全員。誰も自PCを信じてなかった。

NM「じゃあ、だだっ広いエリアの中央付近に自キャラのコマ置いて、アイサツしてね」
NM「今回のシナリオは、ルールのサンプルキャンペイグンシナリオだよ。スムーズに行けば、ヤモト=サンとシルバーカラス=サンの登場シナリオもやるよ」
AN「ヤモト=サン、カワイイヤッター!」

2-2.チュートリアル~ニンジャたちの邂逅~

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ここは、ネオサイタマ、トコロザワ・ピラー。ニュービーである5人のニンジャが、カラテトレーニング場に集められた。
「ドーモ。アノーニマスです。私はニューロン特化の知的ニンジャ。前線のカラテは、皆さんにお任せします。せいぜい働いてください」

「ドーモ。ラッキーキャンサーです。両手のカニツメ型テッコで、敵を粉砕するぞ!」
「ドーモ。ブルータルヘッドです。通信カラテの修行をしてて死んだところで、俺はニンジャになったんだ! ニンジャになった今、俺のワザマエは最強!」

「ドーモ。ジゴクランナーです……。趣味でジョギングしてたら、ニンジャになってました。頑張ります……」
「ドーモ。イダテンフットです。この中で俺の脚力が最高。つまり、分かるな?」

AN=アノーニマス
LC=ラッキーキャンサー
BH=ブルータルヘッド
JR=ジゴクランナー
IF=イダテンフット
NM=ニンジャマスター(GM)

その時! スターン! 東西南北のフスマが開き、各方面から一人ずつ、計4体のクローンヤクザが突入してきた!
「「「「ザッケンナコラー!!」」」」

人数分に足りないのに気付いて、もう1体のクローンヤクザも突入してきた!
「ザッケンナコラー!!」

AN「一番手は私ですか……。カラテは得意ではないので、他のニンジャの後ろに隠れながらスリケンを投げますかね」
アノーニマスは、クローンヤクザ相手に臆病であった。
「グワーッ!」でも撃破。
BH「連続側転で肉薄して、カラテだ! ノーカラテ、ノーニンジャ!」「グワーッ!」撃破。

JR「俺も、他の奴に隠れながら、スリケン撃ちます」
彼も臆病であった。
IF「おいらも!!」
LC「おいどんも!!」
おくびょ……慎重なサンシタたちであった。
「「「グワーッ!!」」」

回避ルールを誰も試していなかったので、さらに4体のクローンヤクザが現れた。
「「「「ザッケンナコラーッ!!」」」」
ターゲットはブルータルヘッド=サン。だったかもしれない。
発射され、かわされるチャカ。
その瞬間、用済みとばかりに飛来した衝撃波で、クローンヤクザ達の首が吹き飛んだ!

「「「グワーッ!!」」」
おお! 見よ! 現れたのは、クローンヤクザ達を一瞬で殺害したのは、ソウカイ・シックスゲイツの一人にしてスカウト部門筆頭、ソニックブームだ! スリケンすら使わず、ソニックカラテでクローンヤクザを撃破したのであった。
「よう、集まってるな? 能なしども!」
彼は、サンシタたちをどうするつもりなのか! 続く!!

閑話休題

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NM「というところで……」
AN「スシが来たぞー!!」
「オーガニック=スシだ!」
「ヒャッハー!」
「撮れ撮れ!」
「ツイッター=バエ重点!!」

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「うめえ」「働いててよかった」「いい休日やねん」「スシって良いよね」
賑やかに、でもしみじみとスシを楽しむオッサン達であった。

2-3.筆頭、登場。初めてのダンゴウそして

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ソニックブーム(SB)「よう、集まってるな? 能なしども! 今日はテメェラに、本格的なミッションを持ってきてやったからな。ありがたく思えよ、エエッ?」
「おい! 誰に物を言ってるんだよ、えらっそうに!!」
キャバァーン!
ソニックブームに傲然と異を唱えたのは、ブルータルヘッドであった!

BH「アンタがソニックブームか? 俺はなぁ、ニンジャになったんだ! さっきのワザマエ、見たろう!? 俺は最強になったんだ! 俺に命令するんじゃねぇよ!」
SB「ほう……ニンジャになりたてで、まだクチの聞き方が分かってないようだなぁ……。良いだろう。教育してやる」

両者の距離は、6マス分!
BH「俺が連続側転したら、一瞬でその距離が詰まるんだぜ~? 凄いだろ? コワイだろ?」
SB「ふん!」
ブルータルヘッドが言い終わらないうちに、ソニックブームは通常移動で接近を終えていた! コワイ!
BH「え?」(忍殺アニメイシヨン1話風、映像にして5秒ほどの間)

SB「イヤーッ!!」
ソニックブーム最強のソニックカラテではない、単なるカラテによる攻撃。それは、力の差を見せつけるための攻撃であった! あと、NM(GM)が、力の差を見せつけるための最適解を、まだよく分かってなかった! なんと! ブルータルヘッドは攻撃をブリッジ回避!

BH「シックスゲイツのソニックブームも、大したことねぇなぁ! 俺のカラテを食らえ!! イヤーッ!」
ソニックブームは、残りのサンシタが抵抗に加わることを警戒して、全力での回避を怠った! ソニックブームの腹部に、ブルータルヘッドの正拳が突き刺さる! Wasshoi!!

最初の攻防は、もはやブルータルヘッドの勝利! にも関わらず、汗を流しているのはブルータルヘッドであった!
まるで岩を叩いたような感触。かのミヤモト=マサシが書に記した、「雨だれが岩に穴を空けるには、何万年もかかる」という言葉が脳内に去来していた。
(解説:BH体力は3。SB体力は13。)

BH(か、勝てない……!!)
そんなブルータルヘッドの背に、熱い感触が走った!
スリケンが、背に突き刺さっていた!
LC「ソニックブーム=サンに逆らう愚か者は、許せないですよね!」
ヒレツ! ラッキーキャンサーが、カニツメ型テッコをすりすりして、ソニックブームに媚びを売る!

BH(死ぬ!?)(俺はニンジャなのに?)(俺は最強)(まだ死にたくない)(全員敵?)(勝てる訳がない)
ブルータルヘッドを、もはやニンジャリアリティショックにすら近い恐慌が襲う。
死にたくない。その一心で、ブルータルヘッドは「ドゲザ」の体制をとった。
「スイマセンデシターー!!!」

SB「俺の攻撃をかわし、一撃食らわせるとは、なかなか見込みがあるじゃねぇか」
BH「ハイ! スイマセンデシタ!」
SB「多少は力の差が分かったかよ!」
ブルータルヘッドに歩み寄ったソニックブームは、その頭を踏みつけた!
BH「ハイ! スイマセンデシタ!!」

SB「お前ら! 俺の指令を聞く気になったか!」(ぐりぐり)
「「「「ハイ!!」」」」
BH「ハイ! スイマセンデシタ!!」
SB「ブラッドカタナ・ヤクザクランをぶっつぶしてこい!!」(ぐりぐり)
「「「「ハイ!!」」」」
BH「ハイ! スイマセンデシタ!!」

トコロザワ・ピラーから駆けだしていくニンジャたち!
彼らの運命やいかに!!

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「(一同爆笑)」
NM「裏切るなや!www」
LC「別に、仲間意識ないしw」
AN「BH!! BH!! サンシタすぎる!!ww」
IF「凄かったなww」
ビールを引っかけて大笑いしながら、ブルータルヘッドのPLには役者で勝てないと痛感するNMでした。つうか、普通にBH大健闘だよね。

2-4.初めてのオツカイ ~ヤクザの事務所~

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ソウカイヤニンジャ、ソニックブームの命令を受け、ブラッドカタナ・ヤクザクランの壊滅に向かったサンシタニンジャたち!
彼らは、ヤクザのアジト入り口にたどり着いた!
そこにはブラッドカタナのエンブレムが掲げられ、「健全な事務所」「実際あやしくない」とショドーされていた。

アジトの間取りは、ソウカイヤから提供されていた。
しかし、どこに何があるのかは、行ってみなければ分からない。
トラベイビーを手に入れるには、エンタリングコケツが必要なのである。音もなくエントリーしたニンジャ達は、入り口付近の通路(解説:シナリオ上の初期配置エリア)にスタンバイした。

ニンジャの世界では、ニューロンを制するものがイニシアチブを制する。サンシタの中で、最も強力なニューロンの持ち主は、アノーニマスであった。
「ここは知的な私が先陣を切りましょう。イヤーッ! 連続側転!」
ウカツ!! 連続側転は判定に失敗! アノーニマスは一歩も動けずにいた。

次に動いたのはブルータルヘッドであった。
「なにが知的だ! ニンジャはカラテだ! ソウカイヤバンザイ! ソニックブーム=サンバンザイ!」
ブルータルヘッドは連続側転に成功。ソニックブームの通常移動分もの距離を進んだ。
なお、行動順は、AN→BH→JR→IF→LCである。

通路を進むのに意外と手間取る一行。
LC-PL「この、薄緑に塗られたところは何だ?」
NM「それは、ワータヌキの置物だ。破壊するとランダムでトレジャーが手に入る」
LC-PL「なるほど」
ワータヌキに隣接していたのは、ブルータルヘッドであった。

「ブルータルヘッド=サン、アブナイ!!」
ラッキーキャンサーは連続側転でワータヌキの置物に接近し、破壊した。中からは、1枚の万札が出てきた。
「なんだ、万札か。てっきり罠だと思った」
ラッキーキャンサーは、万札を懐にしまった。
BH(俺を気遣ってくれたのか。もしかしてイイヤツ?)

「イヤーッ!」
イダテンフットは、見張りのリアルヤクザを射線に入れ次第、スリケン投擲! 通常のモータルにニンジャ攻撃を避ける力はない。命中。
「グワーッ!」
しかし、見張りヤクザ(体力2)は、攻撃(基本的には、ダメージ1)を受けても生きていた。
IF「あいつ、俺(体力1)より頑丈だ!」

「イヤーッ!」「グワーッ!」
接近したブルータルヘッドが攻撃し、見張りヤクザは倒れた。
BH「万札1枚みっけ!」
サンシタたちは全員、サイバネ手術のために「ふわふわローン」で、踏み倒し不可能な万札10枚を借金している。内臓と命を守るために、彼らは全員、万札を見つけるのに必死なのだ!

「おらおら! ニンジャ様のエントリーだ!」
ヤクザの応接間に突入したのは、やはりブルータルヘッドであった。中には8人のクローンヤクザ。早速のスリケン投擲でクローンヤクザが一人減り、アノーニマスとラッキーキャンサーが続いた。
「ブルータルヘッド=サン、アブナイ!」

アノーニマスとラッキーキャンサーは、ブルータルヘッドの近くで普通に行動するときも、「ブルータルヘッド=サン、アブナイ!」と言っておくようにした。
続けているうちにブルータルヘッドは、かばわれているのだと誤解し始めた。二人に対して、(もしかしてイイヤツ?)と思い始めてた。実際チョロイ!

ヤクザにスリケン投擲!
「ブルータルヘッド=サン、アブナイ! 敵だ!」
万札が入っていそうな桐箪笥を破壊!
「ブルータルヘッド=サン、アブナイ! 罠かも!」
ブルータルヘッドがクローンヤクザを処理している間に、部屋の中の箪笥は破壊し尽くされていた。
BH(イイヤツラだ)

(ブルータルヘッドとかいうやつ、なんか嫌いだ)
ジゴクランナーは、連続側転をしながら考えていた。彼は、ソヤー(粗野)な奴らが嫌いであった。そして名前に反して、一行の中で一番脚力が低かった。なので、別方向に向かったイダテンフットを追うことにした。
IF「誰も、俺には追いつけないよ!」

イダテンフットが突入した中では、「ハッキョーホー!」とスモトリヤクザが稽古を行っていた。ここはカラテ・ドージョーだ!
二人のスモトリヤクザが侵入者に向き直る。
「「ザッケンナコラー!!」」
IF「オー! 元気がいいな!」
実際、イダテンフット(体力1)はちょっと心細かった。

スモトリの攻撃をいなし、スリケンを一撃当てたイダテンフット。しかし、ジゴクランナーの合流には時間がかかる。
イダテンフットは決断的に連続側転を開始し、部屋から廊下に飛び出した!
後を追うスモトリ! ジゴクランナーとすれ違うイダテンフット!
狭い通路で、スモトリ二人とジゴクランナーが向き合った。

実はジゴクランナー、片手を戦闘用バイオサイバネに交換している。NMは「攻撃力が強化されるサイバネだよ」とだけ説明していたのだが、あとから「あ、これ、片腕が巨大コブラになる奴だ」と告げられたのである。
彼の腕は、いつのまにか巨大コブラであった。
その分、攻撃力は強大(ダメージ2)であった。

「イヤーッ!」
「ハッキョエー!」
ジゴクランナーとスモトリのカラテ戦闘が続く。ジゴクランナー優勢だが、2人を倒すにはなかなか時間がかかりそうだ。
「俺は、奥の様子を見てくる! 増援がいるかもしれない!」
イダテンフットは連続側転を開始し、スモトリをとびこえて、スモトリのいた部屋に飛び込んでいった。

IF「これが欲しかったのさ!」
ブッダシット! イダテンフットに、敵を倒す気などなかった。先ほどちらりと見た、ドージョーの掛け軸。これこそがイダテンフットの目的であった。
イダテンフットは、ジゴクランナーの戦闘を尻目に、二つの掛け軸を回収した。ヒレツ!

ジゴクランナーがスモトリ2人を倒して、万札を2枚だけ手に入れた頃、イダテンフットは万札2枚相当の掛け軸を2つ手に入れていた。
ギョフ=ゲインのことわざ通りである。
「奥の敵は排除した! だって俺は速いもん!」
イダテンフットは、いけしゃあしゃあと言ってジゴクランナーに合流した。

その頃、クローンヤクザと増援ヤクザを片付けたBH・LC・ANの3人は、応接室から左右に別れていた。右の部屋はロックされていたが、アノーニマスがハッキング(難易度ULTRA-HARD)で解錠。そちらにはアノーニマスとブルータルヘッドが。普通の扉の左の部屋には、ラッキーキャンサーが入っていった。
ブルータルヘッドは、真っ赤な鞘を持つ、綺麗なカタナが飾られた部屋にたどり着いた。

「キレイ……」
ブルータルヘッドは、カタナを取ろうと部屋に足を踏み入れた。
しかし、ビームがブルータルヘッドを襲う! ニンジャ反射神経で回避しなければ、ブルータルヘッドはキンタロアメめいた輪切りオブジェになっていたことであろう。
「ワッザ……」
さすがのブルータルヘッドも、肝が冷えた。

しかし。
「俺のワザマエは最強だ!!」
ブルータルヘッドは、覚悟を決めて撃たれた位置に飛び込んだ。
ピチュン! ピチュン!
光の速度でやってくるレーザーを、ニンジャ反射神経で回避する!
光より早い知覚がなければ、ニンジャなど務まらないのである!
そして、カタナの下にたどりついた。

レーザートラップは、カタナのガラスケースのスイッチから解除することができた。戻りは悠々である。
そこに、アノーニマスの声が聞こえてきた。
「ブルータルヘッド=サン! 手を貸してくれ!」
あいつはイイヤツだからな。ブルータルヘッドは声の方に向かった。

そのころ、単独行動をしていたラッキーキャンサーはと言うと、
「アイエエエ!」
オイランの捕まった檻に遭遇していた。
「イヤーッ!」
ラッキーキャンサーは、檻の格子をカラテでへし折った。
「助けてくれるん、ドスエ?」
そう言ったオイランに、ラッキーキャンサーは笑いかけた。

「イヤーッ!」
「ンアーッ!」
「イヤーッ!」
「ンアーッ!」
「イヤーッ!」
「ンアーッ!」
「イヤーッ!」
「ンアーッ!」
次の瞬間、ラッキーキャンサーは激しく前後していた。
NMはDKKを与えるべきか迷ったが、モータルに対する連続殺人でたまるような仕組みらしいので、DKKを与えるのを保留した。

ラッキーキャンサーは、1ターンごとに満足し、オイランを袋詰めにして移動してみたり、別の部屋に行ったりしていた。1ターンとは、ニンジャが移動し、一撃を繰り出すのにかかる時間である。ハヤイ!
入った中に、ヤクザが熟睡している仮眠室もあった。
ラッキーキャンサーは、ヤクザを窓から投げ捨て、フートンの上にオイランを開封した。

ヤクザ「グワーッ!」
LC「イヤーッ!」
オイラン「ンアーッ!」
NMは、LCにDKKを1与えた。
NMの名誉のために、PLから「NMが引いてる!」という発言があったことを、本文中にも書いておきたい。

そして、「イイヤツ」のアノーニマスの救援に向かったブルータルヘッドを迎え撃ったのは、ヤクザを従えた重サイバネ・オイランアサシンのミコチであった。
ミコチは豊満であったが、右腕は電磁クローになっており、全身が流体ネオンタトゥーで一杯になっていた。ウレシクナイ!

アノーニマスの攻撃を、ミコチは「回避」した。モータルにあるまじき戦闘力であった。
しかし、ニンジャ二人がかりを撃破できるほどに、強いわけではなかった。
追い詰められたミコチは、窓を突き破って逃走した。その後、ミコチを見た者はいない。

ここは、ヤクザの電算室であった。脳にLAN直結したハッカーが死んでいる。アノーニマスとのタイピング攻防で扉を破られた際に死んだのだろう。
そして、ブルータルヘッドは、目についたUNIX端末をいじってみた。
現れたのは、「重要な」「気密な」「見るな」という表示で一杯の顧客名簿であった。

高値の評価が付く顧客名簿を手に入れたブルータルヘッドは、ふわふわローンの返済メドがたったイチバンノリのサンシタとなった。
その頃、イダテンフットは、まだ誰も足を踏み入れていない、最後の部屋に飛び込んでいった。
「おっそーい!」
キャバァーン!!
「イヤーッ!」
スリケンがイダテンフットをかすめる。ニンジャのアンブッシュだ!

中にいたのはクローンヤクザとグレーターヤクザ。そして、ニンジャである。
「ドーモ、ブラックマンバです」
「ド、ドーモ、ブラックマンバ=サン。ソウカイニンジャの、イダテンフットです」
アイサツは、とても大事である。古事記にも書いてある。

「ブラックマンバ=サン、頼むぜ。用心棒として高い金払ってるんだからよ」
こう言ったのは、グレーターヤクザのキヨシである。
「当然だ。任せろ」
ブラックマンバは、ジゴクランナーと同様、片手が巨大なコブラになっているニンジャであった。
ついに、イクサの始まりである。

「カナシバリ・ジツ!」
ブラックマンバのジツがイダテンフットを襲う。イダテンフットは身動きが取れなくなったが、なんとか精神力で振り切った!(解説:ジツは成功し、精神力-2)
「ドク・スリケン! イヤーッ!」
コワイ! ドク・スリケンは、当たると後からもダメージのあるスリケンである。

体力がクローンヤクザ並のイダテンフットは、ブラックマンバの攻撃を受けてはその場で爆発四散してしまう。
全力でスリケンをブリッジ回避!
キヨシがチャカ・ガンで援護する! それもなんとか回避した!
ワザマエ!
これがイダテンフットの、センコ=ハナビめいた最期の輝きであった。

二人の手練れの攻撃を回避してできた致命的な隙! そこをついたのは、クローンヤクザであった。
「ザッケンナコラー!!」
無慈悲な銃弾がイダテンフットを貫き、イダテンフットは気絶した。

□□□□□□□□□□□

IF「イダテンフットは!? 俺のイダテンフットはどうなるの!?」
NM「体力が『マイナス』になったら爆発四散だな。あと1回攻撃を食らったらアウト」
IF「倒した相手に、敵は興味ないよな!? な!?」
NM「ルールブックには書いてなかったんだよな……」

NM「よし、こうしよう。ダイスを振れ。1・2以外が出れば、見逃してやるよ」
IF「おお、NMよ! 寛大な裁定に感謝します!」
IF「……2」
NM・IF「……(^^)」

■■■■■■■■■■■
BM「イヤーッ!」
IF「アバーッ! サヨナラ!」
ショッギョ・ムッジョ! イダテンフットは爆発四散した!

□□□□□□□□□□□
「ヤバいぞ」「死んだぞ」「戦力を集中せねば」「ボス部屋の前で集合な」「まだ、ターンかかるな」「じゃあ、俺のキャラは引き続きオイランとフ○○○させとくわ」「おい妻帯者」
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LC「イヤーッ!」
Oi「ンアーッ!」
AN「いいなぁ……」
BH「敵はここか。イダテンフット=サン、イイヤツだったのに」
JR「はぁ、はぁ、ようやくたどり着いた」
思い思いの様子で、ニンジャ達は足並みを揃える。
そして、同時に敵ニンジャの待ち構える部屋に突入した!

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BM「ドーモ、ブラックマンバです」
「ドーモ、(ガヤガヤ)(LCBHJRAN)です」
BM「このサンシタが! ニンジャのイクサを教えてやる!」
キヨシ「あ! あの野郎! ウチのカタナを持ってやがる!」
サンゼン!
ブルータルヘッドが回収して振り回している刀は、このヤクザクランのトレードマークであった!

キヨシ「あれを! あれを取り返してくれ!」
BM「承知! カナシバリ・ジツ! イヤーッ!」
BH「グワーッ!」
ジツは成功したが、ブルータルヘッドは精神耐久!
相当! 歩けます!
BM「コブラ・カラテを喰らえ! イヤー!」
ブルータルヘッドはブリッジ回避!

ヤクザはブルータルヘッドに攻撃を集中させた。
たくさん撃つと、実際当たりやすい。これはニンジャ真実である。正確に言えば、たくさん撃たれると、回避しにくくなる。
LC「頭数を減らすぞ!」
サンシタたちは、クローンヤクザから片付けることにした。
さながらチームのような連携であった!

2体のクローンヤクザがあっさり倒され、残りはブラックマンバとキヨシの2人になった。
キヨシ「チクショウ!」
キヨシはニンジャに近付かず、チャカでブルータルヘッドを狙っている。そんな中、ジゴクランナーは焦っていた。

(このままだと、ローンが払えない)

ジゴクランナーはひたむきに敵を排除していたが、めぼしい万札をイダテンフットに先取りされており、ほとんどカネを回収できていなかった。このままでは、イクサを生き残っても、ふわふわと殺されてしまう。
そして、近く(隣接マス)ブルータルヘッドの足元の、故・イダテンフット置き土産に気付いた。

掛け軸とか、万札とか、そういうのが転がっていた。
まだ、ブルータルヘッドが拾っていなかった。
BM「イヤーッ! カナシバリ・ジツ!」
BH「グワーッ!」
モノノアワレ!
ついに、精神力の尽きたブルータルヘッドは、カナシバリ・ジツにかかってしまった!

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JR「NM、NM、イイデスカ?」
NM「ナンダイ?」
JR「ブルータルヘッドの足元のトレジャー、拾えない?」
NM「うーん……、じゃあ、『その他行動』扱いで行動して、偶数が出たら拾えたという事でいいよ」
JR「おお! NMよ! 寛大な裁定に感謝します」
NM「苦しゅうない」

BH「俺、カナシバリ・ジツにかかったから、攻撃かわせないの? 体力あんまりないからヤバいんだけど」
NM「ルルブを見ると、『手番で行動できない』しか書かれてないんだよな。回避できないとは書かれてない。なので、回避は普通にできていいよ」
BH「おお! NMよ! 寛大な裁定に感謝します」

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カナシバリ中のブルータルヘッドにブラックマンバの攻撃!
「イヤーッ! コブラカラテ!」
「ムヌゥゥゥン!」
ブルータルヘッドは動けないなりにブリッジ回避!
「ザッケンナコラー!!」
「フヌフフゥン!!」
キヨシのチャカ攻撃も、どういう理屈かブリッジ回避! ワザマエ!

ジゴクランナーは、明日の自分の命のために、カナシバリのブルータルヘッドの足元から、掛け軸や万札を取ることにした!
「フギーッ!」
アブハチトラズ!
掛け軸も万札も、ブルータルヘッドが踏みつけていた!
あんなに身軽に攻撃をかわしたくせに、足はぴくりとも動かなかった!

JR「アイエエエ……」

動けるようになったブルータルヘッドは、足元の掛け軸と万札を「これは、俺んだ」と拾った。
JR(敵のニンジャから、奪い取るしかない……!!)
サンシタ一味最強の男が、本気になった瞬間であった。
コブラも、シャーッ! って言った。

ニンジャたちのカケゴエが響き渡る!
AN「イヤーッ!」
BH「イヤーッ!」
LC「イヤーッ!」
JR「イヤーッ!」
IF-PL「いやー」

たくさん撃つと、実際当たりやすい。
ついに、ジゴクランナーのコブラが、ブラックマンバを抉った!
「グワーッ!」

形勢は決まりつつあった。サンシタ一味の数に、ブラックマンバが押し負け始めている。
キヨシ(まずい……)
チャカで援護していたキヨシは、焦りを感じ始めた。
もう、チマチマ攻撃していても、ブラックマンバがやられてしまう。
そうなったら……!!
キヨシの心を、恐怖が支配した。

キヨシは、ヒートカタナを抜き放った!
当たればデカいが、チャカと違って外したときにカラテされる危険がある。
ヤバレカバレの攻撃であった。
「タマトッタラアアアア」
攻撃対象は、近くにいたラッキーキャンサーであった。
「フンッ!」
攻撃は、あっさりとかわされた。

「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」

「もう俺は、オハシも持てないんだ! イヤーッ!」
「アバーッ! サヨナラ!!」
ジゴクランナーの攻撃で、ブラックマンバは爆発四散!
ジゴクランナーは、光より速く万札を拾った!

「ア、アイエエエエ……」
キヨシは、たった一人になってしまった。
「ホラヨ」
ラッキーキャンサーがスリケンを投げる。
「ひぃっ!」
キヨシは、スリケンをかわした。
(かわせる? ニンジャの攻撃を、俺もかわせる?)
キヨシの心に、わずかな希望が湧いてきた。

「そら! 今度はこっちだ!」
「ひぃっ!」
スリケン!
よける! 安堵。
「そら!」
「ひぃっ!」安堵。
「そら!」
「ひぃっ!」安堵。
「そら!」
「ひぃっ!」安堵。
「そら!」
「ぎゃあっ!」痛み。

「あ……」
キヨシは、気付いてしまった。
もう、自分は助からないのだと。
崖の淵に、指はかかっている。
しかし、体を持ち上げる術はない。
このニンジャ達は、今にも力尽きそうな自分の指を、つんつんとつついて遊んでいるのだ。
「ア、アイエエエ……」

自分を囲んでいるニンジャが、数人、輪から外れた。
助かる……?
キャバーーン!!
けたたましい音がして、ヘビの腕のニンジャに、自慢の箪笥がかち割られていた。
「オー! オヤブン! ため込んでやがるなぁ!!」
カニのようなテッコのニンジャが、嬉しそうに言った。
「こっちも楽しもうかな」

「そら!」
「ひぃ!」
「イヤーッ!」
「ンアーッ!」
キャバーン!
「そら!」
「ひぃ!」
「イヤーッ!」
「ンアーッ!」
「そら!」
「ぎゃあ!」
「イヤーッ!」
「ンアーッ!」

そして、キヨシの足がもつれて。
「イヤーッ!」
「アバーッ!」
ようやく、キヨシは、楽になることができた。

全員DKK追加だバカヤロー!!

サンシタ一味は任務を達成した。
その瞬間、全員のIRC端末にソニックブームから通信が入った。

「ご苦労だったな。任務の完了を確認した。後始末はヤクザに任せろ。さっさと戻ってこい。モタモタしてたらぶっ飛ばすぞ!」

BH「ハイヨロコンデー!!」

BH「俺の最強への道が始まったな」
JR「最期の箪笥で、なんとか間に合った……。ローン返せる……」
LC「いやー、いい拾い物したわー」
AN「お、おい、後で俺にも使わせてくれよ」
LC「飽きたらな」

おいAN、知的キャラ設定はどうした。
IF「……」
これにて、初回セッションは完了となったのだった。

2-5.Wasshoi判定

□□□□□□□□□□□

NM「はぁ……」
NM「よし、気を取り直して……」

(ころころ……)

NM「なんで『5』なんだよォォォォ!! 『3』以下だったら、あいつらに目に物見せてやれたのによォォォォ!! ブッダよ! 寝坊もいい加減にしろよォォォォ」

奴らは、運も良いようだ。

3.セッションを終えて

リプレイはここまで。1万字を超えてしまった。
奴らは、いつか日の目を見るのかもしれないし、あっさりとインガオホーされるのかもしれない。

ただ、一つだけ言える真実は、このセッションを、PLの一人一人がゲラゲラ笑い、「続きよろしく!」となる程度に盛り上がったということだ。

キヨシに合掌。

重要な注意。じゃあくロールプレイは、勧善懲悪ロールプレイに比べて、好き嫌いが分かれます。
同卓参加者の好みに配慮して加減しましょう。
今回のメンバーは特殊な訓練は積んでいませんが、20年来の友人であり、致命的な好みの差はない確信と、「イヤならイヤと言える」という信頼関係がありました。

じゃあくロールプレイは、NMの好みど真ん中からは外れています。それでもゲラゲラ笑えたのは、「DKK追加だバカヤロー!」と言える関係性あってのものです。
初対面であれだけ好き勝手やられたら、遠慮ないツッコミははばかられるので、フラストレーションがたまったと思います。

特に目上・目下の関係性があるプレイグループでは、目下に一方的な負担をかけていないか、目上の人が気を配ってあげてください。合わないところはすりあわせたり、場合によってはプレイグループを変えたりせざるを得ないこともあるかもしれません。

言いたいことはこういうことです。

  • 今回のじゃあく卓は、みんな楽しんでたと思う
  • 一般に、じゃあく卓は楽しめない人が出るリスクが高い
  • 合意の上でのじゃあくは、楽しいよ
  • 同卓メンバーを気遣って、楽しいTRPGライフを!

(チーム・サブスリー・ライジング・フロム・ドゲザ おわり)

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Written by gimpei_osawa in Games on 2019年 8月 12日(月). Tags: ニンジャスレイヤー, リプレイ, サンシタ・イチミ,